育成就労制度とは?技能実習との違いと2027年4月施行
| 育成就労の在留期間(施行後) | 通算3年 |
|---|---|
| 施行日 | 2027年4月1日 |
| 日本語要件(施行後・就労開始まで) | A1相当以上 |
| 転籍制限期間(施行後) | 1年または2年 |
| 分類 | 育成就労(旧技能実習) |
| 所管 | 入管庁 |
| 最終確認日 | 2026/07/19 |
| 出典 | 3本 |
この記事の要約
技能実習に代わる育成就労制度が2027年4月1日に始まります。制度の目的、技能実習との違い一覧、転籍ルール、経過措置のタイムライン、特定技能への接続、受け入れ企業が今から準備すべきことを法務省の一次資料で解説します。
本文
育成就労制度とは、技能実習制度を発展的に解消して新設される、人手不足分野の人材の育成・確保を目的とした制度です。2027年(令和9年)4月1日から運用が始まります。改正法は2024年6月21日に公布済みで、2025年に基本方針の閣議決定(3月11日)・主務省令の公布(9月30日)・政令の公布(10月1日)と、施行準備は着実に進んでいます。技能実習生を受け入れてきた企業にとっても、これから外国人採用を始める企業にとっても、制度の前提が変わる大きな転換点です。本記事では法務省・出入国在留管理庁の一次資料に基づき、変更点を整理します。
PURPOSE01育成就労制度とは:3年で特定技能1号水準へ育てる制度
制度の目的は「育成就労産業分野において、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保すること」です。技能実習が掲げていた「技能移転による国際貢献」ではなく、日本の人手不足分野の人材確保を正面から目的にした点が最大の変化です。
受け入れ分野(育成就労産業分野)は特定技能の特定産業分野と原則一致させ、国内での育成になじまない分野は対象外とされます。外国人ごとに「育成就労計画」(期間3年以内・業務や技能・日本語能力の目標を記載)を作成し、外国人育成就労機構の認定を受ける仕組みです。育成就労→特定技能1号→特定技能2号と、就労を続けながら段階的にキャリアが上がっていく設計になっています。
COMPARISON02技能実習との違い一覧
| 目的 | 技能実習:技能移転による国際貢献 → 育成就労:人手不足分野における人材の育成・確保 |
|---|---|
| 在留期間 | 技能実習:1号1年以内・2号2年以内・3号2年以内(合計最長5年) → 育成就労:通算3年(育成就労終了時の試験に不合格の場合、一定要件の下で再受験のため最長1年の延長が可能) |
| 日本語要件 | 技能実習:入国時の試験なし(介護職種を除く) → 育成就労:就労開始までに日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)合格、又はそれに相当する日本語講習の受講が必要 |
| 技能等の確認 | 育成就労では就労開始時・1年経過時・終了時(特定技能1号移行時)に、技能水準・日本語能力水準を段階的に試験等で確認 |
| 転籍(転職) | 技能実習:原則不可(やむを得ない場合等を除く) → 育成就労:やむを得ない場合に加え、本人意向による転籍を一定要件の下で容認 |
| 監理する機関 | 技能実習:監理団体(許可制) → 育成就労:監理支援機関(許可制・許可基準は厳格化。既存の監理団体も新たに許可を受けなければ監理支援事業を行えない) |
| 送出し | 両制度とも外国政府の推薦・認定を受けた送出機関。育成就労では二国間取決め(MOC)の作成と、送出機関に支払う手数料が不当に高額にならない仕組みを導入 |
TRANSFER RULES03転籍ルールはこう変わる:企業への実務インパクト
受け入れ企業にとって最も影響が大きいのは転籍ルールです。育成就労では、①分野ごとに設定される転籍制限期間(1年または2年。例:宿泊は1年、介護は2年)を経過し、②技能検定基礎級等の技能試験と、③分野ごとに設定される日本語試験(A1相当以上〜特定技能1号移行水準の範囲内)に合格した場合、本人の意向による転籍が可能になります。ハローワークが監理支援機関・外国人育成就労機構と連携して転籍を支援する体制も明記されました。
TIMELINE04スケジュールと経過措置:技能実習はいつまで使えるか
施行日(2027年4月1日)をまたぐ技能実習の扱いは、経過措置として次のように整理されています。
- 施行日前に入国し、施行日時点で技能実習中の人は、引き続き技能実習を行うことができ、要件を満たせば次の段階の技能実習まで移行できます(この場合、技能実習制度のルールが適用され、途中で育成就労へ移行することはできません)。
- 技能実習3号への移行には制限があります:施行日時点で技能実習2号を1年以上行っている人に限られます。外国人技能実習機構は「遅くとも2026年4月1日までに技能実習2号を開始している必要がある」と案内していました。この期日は既に経過しています(本記事の確認時点で経過済み)。したがって現在は「これから間に合わせる」ことはできず、自社の実習生が既に該当しているかを確認する段階です。
- 施行日前に技能実習計画の認定申請をしている場合(施行日から3か月以内に開始する計画に限る)は、施行日後に技能実習生として入国できる場合があります。
- 施行日前にすでに技能実習を終えて出国している人は、技能実習生として再入国することはできません(期間や職種によっては育成就労外国人として再入国できる場合があります)。
PREPARATION05企業が今から準備すべきこと
- 受け入れ計画の時間軸を引き直す:技能実習3号まで使う予定だった企業は、上記の経過措置(2号開始1年以上の要件)に自社の実習生が該当するかを確認しましょう。
- 監理団体の動向を確認する:付き合いのある監理団体が監理支援機関の許可を取得する予定か、早めに確認を。許可基準は厳格化されており、施行日前申請の期間が設けられています。
- 日本語支援の体制を作る:育成就労では就労開始までにA1相当以上の試験合格または相当する日本語講習の受講が必要になり、その後も段階ごとに日本語能力が確認されます。学習支援は定着・転籍対策としても機能します。
- 特定技能への接続を設計する:3年後に特定技能1号(技能検定3級又は特定技能1号評価試験+A2相当以上・N4等)へ移行する前提で、評価・処遇の階段を用意しておくと採用時の訴求力になります。受け入れ手続の全体像は受け入れの流れの解説記事を参照してください。
PR育成就労対応の支援サービス資料請求(準備中)
監理支援機関・登録支援機関など、新制度対応の支援サービスの資料を比較できる窓口を準備しています(企業向け・広告)。掲載開始までお待ちください。
資料請求の案内(広告・準備中)出典
- 法務省「育成就労制度の概要」(令和7年12月改訂)
- 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新)
- 外国人技能実習機構(OTIT)「技能実習3号への移行に関するお知らせ」
- 法務省「育成就労制度の概要」令和7年12月改訂(目的・転籍・監理支援機関・スケジュール・経過措置) ─ https://www.moj.go.jp/isa/content/001452485.pdf
- 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」令和8年7月1日更新(制度比較表・転籍制限期間・人材基準) ─ https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf
- 外国人技能実習機構「技能実習3号への移行に関するお知らせ」(2号開始1年以上の経過措置) ─ https://www.otit.go.jp/news/cat2/260116.html
確認状況
2026/07/19
編集部
制度・数字は改正等で変わります。最新の内容はリンク先の公式ページでご確認ください。




